就活中のある学生は、自分の条件に合う会社を選び、積極的に自己アピールしていました。自分のタレントを十分に発揮できる企業を。または、夢の実現の為なら給料は低くても頑張ってみたいなど様々です。好きな仕事に就ける人もいれば、そうでない人もいます。
今日のみことばは、そういう世間の常識からは程遠い話です。派遣先はオオカミの群れですよ。注意しないと会堂で鞭打たれますよ・・・。こういう条件で求人広告を出したところで、是非ここで働きたいと言って応募してくる学生は、はたしているのでしょうか。
しかし、私はこの箇所が好きです。何故かというと、イエス様の誠実さと親心を感じるからです。この場面は使徒をお遣わしになるわけですから、遣わされる方も、心の準備は出来ていたのかもしれません。それでも、出発を前にしての注意事項としては、後ずさりしたくなるようなものです。イエス様は、大切に育ててきた愛弟子に真実を伝えます。あえて苦い経験をさせようとします。そして、そういう道を歩んだとしても、その先に何があるのかも教えてくださいます。イエス様が歩んだ道。それは救いへの道です。
現代社会でキリスト者として生き抜くことは、時々この場面と重なることがあります。学校で、職場で、家庭で、そして共同体でも。私達は日常生活で、イエス様からこの召きを受けていることに気付かされます。キリストの価値観を貫こうとするとき、小さな迫害を受けることもあります。自分が予想していない反応が返ってきて孤独を感じる時もあります。でも、そんな時にこそ、使徒たちを遣わすイエス様の眼差しを思い出したいと思います。一人ぼっちでは何処にも行くこともできない羊である私を、イエス様は一瞬たりとも忘れることはありません。たとえ、離れてしまったと感じる時も、信頼してイエス様の召きに答えていきましょう。その勇気と喜びを与えて下さるのも、また、イエス様なのですから。「最後まで耐え忍ぶ者は救われる」とあるように、素直な心で聖霊の促しに聞き従う恵みを願います。
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