キリスト者の使命は、全ての人に福音を告げ、その教えにともなう恵みを人々が感じ取り、その恵みによって生かされるように、神と人に仕えることである。
キリストの教えはガリラヤから始まって、全世界に広まった。今では全世界に11億人、日本にも45万人のカトリック信者がいる。
これまでの教会の歩みは容易ではなかった。 荒波に翻弄される小舟のように、教会の初めからイエスを信じる人たちに対する迫害が行われ、多くの人々が自分の命を賭してキリストへの信仰を表明した。そしてそれは今の時代も繰り返し行われているし、これからも行われることだろう。それは神を信じる人の生き方や行動が、神を信じない人にとって「とがめ立て」と映り重荷となるからである。(知恵2.14-15参照)
また歴史の流れの中で、教会はこの世の権力と相俟って、人々の信頼を失うこともあった。教会は自分のふところに罪人を抱いているから、「聖であると同時に常に清められるべきものであり、悔い改めと刷新との努力を絶えず続ける」(教会憲章8)べき存在である。 社会の中で社会と共に歩むということは、常に我・欲の中に引き入れられる面に直面していることでもある。
特に現代、科学実証主義思想の中で、情報化社会の中で、相対主義の思想の中で、そしてPAF(平和と豊かさと自由)状況の中で、教会はのび悩んでいる。教会独自の素晴らしさを十分に展開し現すことができないでいる。
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