初めて神に祈って、祈りがかなえられた体験をしたのは高校生の時だった。通っていたミッションスクールの宗教の時間に、シスターが言われた一言がきっかけだった。 「信じてお祈りすると、その祈りは聞き入れられますよ。」 それじゃあ試してみようと、駄目でもともとで、全然勉強していなかった一番にがてな数学の試験がうまくいきますようにと祈ってみた。大真面目に、真剣に、一生懸命に、嘘でもいいからやってみた。 「本当に神様がいるなら、私のこんなおかしなお祈りでも聞き入れてくださるでしょう。」
結果は素晴らしいものだった。「これは奇跡だ!」と思った。私が求めたことは、数学の試験がうまくいくことだった。でも、与えられたものはそれだけではなく、神は現存するという確信だった。 洗礼を受けて、本当の自分の道を歩みたいと思っていた頃、一人の神父様がこんなことを言われた。「本当に神様を信じて自分の求めているものを願っていますか。私たち一人一人を一番に思ってくださる神様の御業に信頼していますか。」